第3楽章 秋 28 こんげん月はえっとなかばい ----長崎市 彦山を眺める
ワインを飲みつつ明清楽を奏でるカップル。窓の外には彦山から昇る満月。「こんげん月はえっとなかばい(こんな見事な月はめったに見られないよ)」と徳川時代に江戸からやってきた酔狂なお役人が長崎弁で讃えた名月です。
明清楽は日清戦争の時に敵性音楽として禁止されたが、長崎と江戸で細々と伝承された。ここに描いた月琴は現行の楽器。長崎の明清楽には中国ではもう使われてない月琴が伝わっている。古い外国文化が鎖国日本、殊に長崎という冷蔵庫に冷凍保存され、解凍して使われるのを待っている。