第4楽章 冬 38 アロエの花 ----長崎市西坂町
冬によく見る赤い花。南国を感じさせながら、なぜか切ない。花が人の死を連想させるのはなぜだろう。昔の処刑地の横を小学生が通り過ぎる。道の先に西坂小学校がある。坂の町の子どもは声が大きくて足腰が強い。
このアパートがあったところに今はモダンな集合住宅が建っている。この辺もすっかり変わってしまった。でもこの子は今日もここに座っている。目をつぶれば見える。ぼくが描く前はこの子はどこにもいなかったんだ。
サルコーデに描いて、失われた風景も少なくない。諸行無常を思う。描いた時点ではあまり考えていなかったが、記録、記憶としての意味も出てきた。