第4楽章 冬 41 おせちのお買い物 ----長崎市新大工市場 長崎の豊かな食生活を支えてきた市場が減っていく中、年末の新大工市場はさすがに賑わっている。お店の人たち、絵葉書になったこの絵を見ては「よう似とる」と笑い合うそうだ。 ここに描いた新大工市場は今はない。なつかしい人たち。どこに行ったんだろう。長崎らしい市場が激減している。近所の市場も風前の灯だ。市場で気づく季節の移ろい、知恵、人情、子育て、出会いと別れ……大切なものが砂時計の砂のように減っていく。