カバー袖から
かきそえ●浦桐鱒三
いうまでもなくこれは1959年に出版されたレオ・レオー二の絵本『あおくんときいろちやん』のパロディである。原作を引きずりおろすような類のパロディではなく、レオー二に対するオマージュ、変奏曲のようなものである。したがって原作をまずお読みになることを勧めたい。レオー二は青と黄が減法混色されると緑になるという色の特性を、愛の物語にまで高めている。そこで長谷川集平は考える。世界は青と黄だけでできてるわけじやない。もうひとつの原色、赤が加わってはじめて色づくのだ。さて、青と黄が交わって緑になったところに赤がやってくる。結果は……黒になるのである!
60年代はじめのアメリカで『あおくんときいろちやん』は若者たちの心をとらえた。恋人に贈る時に「緑になろうよ」と書きそえるのが流行したという。ならば90年代の恋人たちは『アロくんとキーヨちやん』にこう書きそえて贈ればいい。
「黒になろうよ」
子どもたちもきっと、いつかわかってくれるだろう、と私は思う。