●演奏曲目
4月8日土曜日、長崎市・旧香港上海銀行で今年初めて行われたシューヘーライブ。昨年末から過労のためクン・チャンの体調がすぐれず、前日まで出演が心配されたが、なんとかコンディションを整えて、後半出演ということに。そのぶん集平のソロが多く盛り込まれ、いつもとは一風変わったライブになった。
変わった、といえば、『音楽未満』の中から展示された原画10枚が、ステージを取り囲むように置かれたのも珍しかった。ステージの背後には、これまで集平がアンプラグド・ナガサキのために描いてきたポスターが飾られた。ジョン・レノン、アーロ・ガスリー、セロニアス・モンク……。10人の音楽に生きた(生きている)人々の真ん中でシューヘーのライブが始まった。
まずは集平が独りでステージに立つ。この日はニルヴァナのカート・コバーンの命日でもあったので、カートの遺書に歌詞が引用されたニール・ヤングの「ヘイヘイ・マイマイ」(その後、ニールは自らこの名作の演奏を封じてしまった)の一節をきっかけに始まった「ロックンロール・マジック」「ポイ」など、シューヘーおなじみのナンバーに加え、「はっぴいえんど」やフォークルの「マン・スマート」などをソロで歌った。中屋勝彦さんの「麦わら帽子の唄」は、新境地を示した。
7曲がすんだところでクン・チャンが登場。「お尻の向こうに」「夜の三角形」など4曲をいつものシューヘー・スタイルで演ると、会場は大きな拍手と熱気に包まれた。
クン・チャンが一時休憩に入ると、今度は集平がティンホイッスルで「でんでらりゅう」と「オフ・トゥ・カリフォルニア」を組み合わせて実験的な演奏を試みる。そのまま数曲をソロで歌い上げ、最後の2曲をふたりで完璧にこなしたときには、音楽でしかありえない、独特の幸せな空気がその場に充満していた。
鳴り止まないアンコールの手拍子に応え、岡林の「自由への長い旅」を集平が歌い、シューヘーの「セレナーデ」で終えた。
終了後、ホカホカしたお客さんの楽しそうな顏がそこいらじゅうにあふれて、シューヘーはたくさんの嬉しい言葉をもらった。
本来のシューヘー・ライブとは違う内容になったが、初めて集平のソロを満喫してもらえたし、シューヘーの独自性が再確認されたライブになった。
聴いてくださったみなさん、ありがとうございました。また楽しい夜を過ごしましょう!