猫ヒゲDance
(NATTY-1007 '91年 ¥1,223)
●長崎での第一作は切ないラブソングになった。
下村誠のスナフキンとの合体バンド「こじこじ音楽団」は
70年代のウエストコースト・サウンドを思い出させる何かがある。
シューヘーのサンデー・ペインティングといったところ。
こじこじ音楽団はシューヘーのふたりと下村誠&スナフキンの7人が合体した9人編成のバンド。
全員が「孤児」の姓とカタカナ名を名乗っています。
孤児シューヘー、孤児クミコ、孤児マコト、孤児ミホ、孤児マサト、孤児アツコ、孤児シュージ、孤児ノリコ、孤児テツヤ
1.猫ヒゲDance MP3(3.6M)
詞・長谷川集平、曲・下村誠
演奏・孤児マコト(リード・ボーカル、ギター、ハーモニカ) 孤児ミホ(ベース)
孤児ノリコ(ドラム、パーカッション) 孤児シューヘー(コーラス、リコーダー)
孤児クミコ(チェロ) 孤児アツコ(アコーディオン) 孤児マサト(ペダルスチールギター)
孤児シュージ(リード・ギター) 孤児テツヤ(パーカッション)2.ドラキュラ・ソング
詞・長谷川集平、曲・トラッド
演奏・孤児シューヘー(リード・ボーカル、ギター、リコーダー、ハンドクラッピング、
ジュース・ハープ) 孤児クミコ(チェロ、ハンドクラッピング)
孤児マコト(ハンドクラッピング、ギロ) 孤児テツヤ(鈴) 孤児モモコ(コーラス)3.ここにいると気分がいい MP3(2.7M)
詞と曲・長谷川集平
演奏・孤児シューヘー(リード・ボーカル、ギター) 孤児クミコ(チェロ、コーラス)
孤児マコト(コーラス、ギター) 孤児ミホ(ベース) 孤児ノリコ(ドラム)
孤児アツコ(ピアノ) 孤児マサト(ペダルスチールギター)
発売当時、クン・チャンが作ったチラシより
わたしたちが長崎に移ってから、もう6ヶ月が過ぎました。
みなさんお元気でしょうか。この街で、新曲「猫ヒゲDance」が生まれました。
坂の途中にすわってる
日が暮れるのを眺めてる
君は猫みたいにぼくにもたれかかる
ごらん百万弗の夜景が点滅しはじめるよ……長崎の街の様子が、目にうかんできませんか? 作詞はもちろん長谷川集平そして作曲が下村誠さんです。東京の下村さんと、ファクシミリと電話のやりとりで、美しさのなかに刺を孕んだこの曲は生まれました。下村誠率いるバンド「ザ・スナフキン」と「シューヘー」の合体バンドが、「こじこじ音楽団」です。
2曲目はシューヘー・ファンならおなじみの「ドラキュラ・ソング」。シューヘー世界の根底に流れる悪魔的な要素をコミカルにまた物悲しく、聴く人を思わず踊らせてしまうトラッド・ナンバー。なぞのコーラス、孤児モモコの熱唱も聴きものです。
3曲目の「ここにいると気分がいい」は、軽井沢のすがすがしさの中から生まれたシューヘー・ライブのラストをたびたび飾るナンバーです。いつものギターとチェロの編成に加え、スナフキンの強力なバックアップで、さらに曲に深みと奥行きのある仕上がりになりました。
きっと気に入ってもらえると思います。どうか、聴いてみてください。
CD収録の「猫ヒゲDance」は孤児マコトさんがリードボーカルをとっている。ライブではこの曲を孤児シューヘーさんがソロで歌ったりもするが、サビの部分がオクターブ低くなるので、ほとんど別の曲みたいだ。サビで一気にのぼりつめるマコト・バージョンのほうがカタルシスを味わえて僕は好きなのだけれど、イキそうなところでイカないシューヘー・バージョンのほうがこの歌の正体に近いのかもしれないとも思う。爽やかな歌声やメロディのせいで錯覚しそうになるが、この歌はチークダンスを踊る男女の歌ではない。<ぼく>は坂の途中にすわっていて、<今、君を殺すこともできるんだ>という衝動にかられながら、チークダンスを踊りに<天国のちょっと下>へ行こうと誘うのである。怖いくらい「一寸先」を暗示する言葉だけで成り立っているこの歌は、併録の「ここにいると気分がいい」と、きれいに対をなしている。ふたつの歌には同じ風が吹いていると思う。 桝野浩一 チラシより
↑盤面のイラストは猫と風景。