(詞:長谷川集平)
夜の三角形
遊びにおいでよ ぼくの隠れ家に
遊びにおいでよ だれにも内緒で
遊びにおいでよ いいもの見せてあげよう
夜の三角形が冷蔵庫で冷えてる
二人になったら 鍵をかけるよ
二人になったら 息をかけるよ
二人になったら いいこと教えてあげよう
夜の三角形を君の胸に突き刺す
指の隙間から こぼれ落ちるよ
こぼれ落ちたら すくって舐めるよ
すくって舐めたら ちょっとだけ笑う
夜の三角形を帰り道に捨てる
お尻の向こうに (詞:長谷川集平)
あの娘のお尻の向こうの空が キラキラ光ってる夜
あの娘のお尻の向こうの丘で 息をひそめ待ち伏せしてる夜
汗水流して働いてみても 金持ちにゃなれない仕掛けだって
九時から五時まで愛想笑い 帰り道に宝くじ買うのさ
あの娘のお尻の向こうの川で めだかとりしたくなる夜
あの娘のお尻の向こうの土手で 草むしりしたくなる夜
狭い団地にゃ飽きあき 壁に耳あり障子に目あり
電子レンジ ラジオカセット みんながあたしを狙ってるわ
あの娘のお尻の向こうの海で 平泳ぎしたくなる夜
あの娘のお尻の向こうの山が 火を吹くのを待ってる夜
ポイ (詞:長谷川集平)
そこの引き出し開けたら中に しまってあるから使ってよ
俺とおまえの仲をとりもつ 大事な大事な……
※あきらめちゃダメ あきらめちゃダメ
あきらめちゃダメ あきらめちゃダメ
裏返して 裏返して 裏返して 裏返して
ティッシュで拭いて まるめて捨てて ポイ
ティッシュで拭いて まるめて捨てて ポイ ポイ ポイ ポイ……
頼む ピストルちょうだい ナイフもちょうだい
ダイナマイトちょうだい いろいろちょうだい
千円ちょうだい 百円ちょうだい 十円でいいから……
※(くりかえし)
黒いカバンの底に隠してあるはず 暗いところで探してよ
あいつとあいつの仲を引き裂く 秘密の秘密の……
※(くりかえし)
サヨナラしたあとの帰り道 (詞:長谷川集平)
サヨナラしたあとの帰り道
サヨナラしたあとの帰り道
酔っぱらいにまぎれて ぶらぶらしてる
帰りたくない あのさみしい部屋に
帰りたくない あのさみしい部屋に
教会のまわりを ぐるぐる回ってる
君をもっと愛せるかもしれないのに
君をもっと愛せるかもしれないのに
いつでもぼくらごまかして ごまかしてばっかりいるね
たとえばぼくが言う
「愛してるよ ホント」
君はさっきから枝毛ばっかり切ってる
それでぼくが言う
「映画に行こう」
帰りたくない あのさみしい部屋に
帰りたくない あのさみしい部屋に
教会のまわりを ぐるぐるぐるぐる回ってる
君をもっと愛せたかもしれないのに
君をもっと愛せたかもしれないのに
いつでもぼくらごまかして ごまかしてばっかりいたね
映画に行こう (詞:長谷川集平)
映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう
この街歩くと口惜しくなるから どこまで行ってもついてくるから
映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう
東映 大映 松竹 日活 東宝 アングラ なんでもいいから
映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう
映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう
ロマンス ポルノ ギャグ サスペンス 男に女にオカマにゴジラ
映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう
あの娘が好きさ この娘が好きさ どいつもこいつも大嫌い
映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう
映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう
夢かうつつか どっちが現実 よくよく観るほどわからない
映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう
始める前からあきらめるのかい 夢見るだけにしとくのかい
映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう 映画に行こう
映画に行こう こんなことやめて 映画に行こう なかったことにしよう
鉄人28号が (詞:長谷川集平)
誰だ 誰だ 誰だ 誰だ
鉄人28号が オレの帰りを待ってた
ちゃぶ台囲んで 父ちゃん母ちゃん あいつとそれからオレと
納豆ご飯に たくわん 味噌汁 上等のコロッケ
野球中継見ながら ビールを一本二本三本
バレタ ヤバイ ハヤク ニゲロ
心の病が流行ってるよ マスクをしっかり うがいもしっかり
細い水道蛇口から大きな桃が流れ出てきた
鬼はどこだい 鬼はどこだい 鬼が島に行かなきゃ
臭いにおいは元から断たなきゃ 殺虫剤でシュッシュッシュか
バレタ ヤバイ ハヤク ニゲロ
危ない 危ない 危ない 危ない
危ない 危ない 危ない 危ない
さんざん苦労のかいもなく こんなにボロボロくたびれた
職人気質が 浮かぬ顔して まっ昼間からトトカルチョ
勝った負けたが勝負じゃないけど 懐具合が気にかかる
鉄人28号が オレの帰りを待ってる
バレタ ヤバイ ハヤク ニゲロ
フニャフニャ (詞:長谷川集平)
明日の天気を占ってる 明日になっても
雨が降っても固まらないし 風が吹いてもなびかないし
祭は終わりだ テントをたため 抱えて持ってけ
一皮剥けばミルクキャラメル 甘さを持て余してる
路上 車道 ラッシュアワー 女の身体の外
頭の上には空がある 頭の下はフニャフニャ
※フニャフニャフニャフニャと フニャフニャフニャフニャと
フニャフニャフニャフニャと 朝から晩までフニャフニャ
悪いことはしてないよ だれにも迷惑かけてない
リンゴをかじると血がにじむけど大丈夫に決まってる
だれかれかまわず声かけたくなる「愛してる」って言いたくなる
犬の散歩がぞろぞろ出てくる いろんな戸口から
ビラ配りは最終電車が着くのを待ってる
ラジオのニュースが興奮している 準備は出来てる 始めていいよ
※(くりかえし)
親の振りして 子どもが子どもにてこずっている
教師の振りして 子どもが子どもをてなずけようとしている
子どもの振りして 子どもが背伸びをしたがってる
会わないほうがホントはよかったのか
知らないほうがホントはよかったのか
食べないほうがホントはよかったのか
※(くりかえし)
森の悪魔 (詞:長谷川集平)
昔 一人の若者が 森の中迷ってた
歩き続け疲れた もう三日も腹ぺこだ
歩きながら夢を見た
水車小屋の娘と二人で暮らす夢
若者の後ろでつむじ風 森の悪魔の登場だ
どうして悪魔とわかったかは あくまでわからない
悪魔はとても甘い声で話す
「おにいさん その素敵な夢をかなえてあげようか」
若者は驚いて
「ちょちょちょ ちょっと待った まずは腹ごしらえだ」
「お安いご用」
悪魔が指をさすと 一面のキノコ畑
とろけるようにうまいキノコ
悪魔は笑った
「アハハ そんなに慌てるなよ 全部あんたのもんさ」
「さて 君の夢のことだがね 今すぐかなえよう」
「うん たのむよ でも腹いっぱい食ったらちょっと 考えが変わってきたぜ
水車小屋のあれもいい娘だけど
街のオシャレな女の方がおいらにお似合いさ」
瞬く間に時は過ぎ しょぼくれたネクタイ姿
妻と二人の子どものため 今朝もまた満員電車
吊革で彼は夢を見る
水車小屋の娘と悪魔が笑ってる
水車小屋の娘と悪魔が笑ってる
セレナーデ (詞:長谷川集平)
悲しい夜は歌ってあげよう
うまく歌えますように
あなたの大事ないのちが
かわいてしまわないように
そうさ それが
ぼくにできるたったひとつのこと
生まれて死ぬまでくりかえすのが
悲しみだけじゃないように